ひみつの作戦

「中々良い物がないなぁ。」

かなではふぅ、と溜め息を吐きながらショップ巡りをしていた。
響也の誕生日にあげるプレゼントを探している真っ最中。
何か身に付ける物を、と何時間も前から色々なお店を廻っているかなでだが、中々これだ
とぴんと来る物が見付からない。
どうしよう、と悩んでいたかなでの視界に入ったのは、シルバーアクセサリーや
ストラップを扱っている専門店だった。
あのお店なら良いものが見付かるかも、と思ったかなでは、店へと向かう。
店内には沢山のシルバーアクセサリー等が、所狭しと並べられている
そう言えば、とかなではある事を思い出す。
最近、携帯を買い換えた響也。確かその携帯にはストラップが付いていなかった。
ストラップならば使い易いかもと、ストラップコーナーへ向かうかなで。
シルバーのシンプルなデザインの物が多いストラップは、どんな携帯にも合いそうだ。
その中にある、ダガーを象ったモチーフが付いたストラップが目に留まる。
程好い大きさのモチーフのそれは、邪魔になる事はないだろう。
これにしよう。かなでは頷くと、ストラップを購入した。
会計を済ませて店内を出たかなでの手には、艶消しシルバーのショップバッグが握られている。
良い物が見付かったなとショップバッグを見つめるかなでの表情は
とても柔らかなものだった